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2024.02.06

互いに応援しあえる東山区を目指す。「未来の住むまち東山をつくる交流会~みらひがし~」開催レポート

互いに応援しあえる東山区を目指す。「未来の住むまち東山をつくる交流会~みらひがし~」開催レポート

京都の中でも特に観光地のイメージが強い東山。その中でも「京都観光の象徴」ともいえる場所が清水寺ではないでしょうか。

紅葉シーズンも終わりに差し掛かってきた12月上旬、清水寺に東山の地域で活動している人や東山のまちに関心のある人たちが集まり、「未来の住むまち東山をつくる交流会 ~みらひがし~」を開催しました。

東山は住む場所としてはどんなところなんだろう。東山ではどんな人が活動していて、どんな動きが生まれているんだろう。「東山」をキーワードに集まった約70名が、さまざまな思いを持ち寄って交流したイベントの様子をお伝えします。

東山にかかわる人たちが繋がるきっかけの場に

2023年12月6日に開催した「みらひがし」。会場の「清水寺 円通殿」には、区内外から事業者や市民、行政職員などが集いました。

司会は、株式会社ツナグム(京都移住計画)の坂井晃人が務めました。

まずは交流タイム。名前や仕事、何を期待してこの場に参加したのかなどを簡単にシェアしていきます。

お互いどんな人が参加しているかがわかり、場が和んだところで、東山区役所の和田野美久仁さんから、「みらひがし」開催の大本である「住んでこそ!東山プロジェクト」の概要について紹介がありました。

和田野さん:東山区の人口減少をなんとか食い止めたいと、区民の皆様の声から、2021年(令和3年度)に始まった取組が「住んでこそ!東山プロジェクト」です。
東山に住みたいと思ってもらえるよう魅力を伝えるソフト面の取組と、住みたいと思える住まいを増やすハード面、そうした取組を東山区民みんなで協力してやっていこうとする公民連携の三本柱でプロジェクトを進めています。

人口減少から人口流入へ。“住むまち”東山の魅力を伝える「住んでこそ!東山プロジェクト」

和田野さん:「みらひがし」も公民連携の一つで、東山区で何かしたいと思っておられる方々が連携するきっかけとなることを期待して開催しています。本日企画を一緒に行っている小原さんのオープニングトークの後、5名の方々にプレゼンをお願いしています。話を聞いて、もっと知りたいな、何か一緒にしたいななど、何かしら皆様に持って帰っていただける場になると幸いです。

めぐる・泊まる・住まい探しを通して東山のホンマの暮らしを案内する「東山くらしよし」

オープニングトークには、「東山くらしよし」代表の小原亜紗子さんが登壇しました。

東山区南部の月輪学区で暮らす小原さんは、個人で不動産業「Roomie」を営む傍ら、2020年から「東山区まちじゅう図書館プロジェクト」を、2023年には移住促進・移住支援のチーム「東山くらしよし」を立ち上げました。

小原さん:「東山区まちじゅう図書館プロジェクト」は、コロナ禍で動きづらかった時期に、地域で気軽に楽しめることがあったらいいなと思って始めました。家の前に図書箱を置いて、誰でも本を借りられる活動です。今では区内9ヶ所に広がり、本を読んだり貸したりというコミュニケーションがまちの中で生まれています。
不動産業は「地域の人事課」的な役割だと思っています。地域に素敵なお店を誘致したり、素敵な人に住んでもらったりすることで地域住民の安心にも繋がります。でも一人で理想を追いかけていても現実的ではない。そんな時に、一緒に東山を盛り上げてくれる仲間と出会い、「東山くらしよし」をつくりました。

小原さん:「東山くらしよし」ではメンバーの強みを活かして、めぐる・泊まる・住まい探しの3本のサービスを行っています。まずは、まちあるきでリアルな東山での暮らしぶりを知ってもらい、興味を持ってもらったらお試し居住で泊まってもらう。その上で、ホンマに東山に住みたいと思ってもらえた方に、家を探してもらったらいいんじゃないかなって。ただ、まだまだ「東山くらしよし」の取組が周知されていないことや、私たちが提供するお試し居住のスペースでは、ファミリー向けにはスペースが足りないなどの課題があります。そういった課題を、今日お集まりいただいている皆さんとお互いに協力して解決していけたらと思っています。

小原さん:是非東山に興味を持っている人や移住を考えている人に、私たちのことを紹介してくれたら嬉しいです。逆に、私たちでは力になれない案件があったときに別の東山の団体さんにお繋ぎしたいですね。持ちつ持たれつの関係で東山を盛り上げていきましょう。

note:https://note.com/hy_kurashiyoshi/

小原さんのオープニングトークに続いて、東山で活動されている5名の方がプレゼンテーションを行いました。

登壇者一覧

未来への種まき 〜1000marketを通じて〜
大西 晶允氏/清水寺 法務部長

最初にプレゼンテーションを行ったのは、会場である清水寺の法務部長を務める、僧侶の大西さん。100年先に残したいものや残すべきもの、地球に優しいものを世界中の人たちに広く知っていただきたいという思いで、毎月28日に境内で「1000market(サウザンドマーケット)」を開催されています。

大西さん:海外から日本にたくさんの方が、文化、歴史、技術や日本人の心などを感じに来られています。そういった先人たちの遺産を使って、私たちは商売をして生活しています。だからこそ、子どもや孫、その先の人たちといった未来に対して何か種を蒔いているか考えなければならないと思うんです。
そこで、未来に残すべきものを広く知ってもらうために、「1000market」を始めました。出店者の皆さんには、たとえば時間や労力をかけて育ててこられた無農薬の野菜や、受け継いでこられた伝統工芸といったものを、訪れた人にどんどん声を掛けて伝えていきましょうと言っています。そうやって、100年先に残していくために広く知っていただく場としてこのマーケットをつくっていこうとしています。
他にも、寺子屋活動をしていて、職人さんを呼んで、子ども向けのワークショップを開催して日本の素晴らしい技術や文化を知ってもらったり、社会の仕組みや問題を自分で考える機会をつくったりしています。
お寺は社会のコミュニティと共存していく場所だと思っていますので、今後も色んな地域の方々と一緒に色んな活動をしていきたいと思っています。

1000marketの様子

1000market:https://www.kiyomizudera.or.jp/news/1000market.php
寺子屋育龍:https://www.okagesan.co.jp/dragon

繫がりが繋がりを生む、令和の三丁目の夕日
前川 千尋氏/株式会社白川まちづくり会社

東京から大学時代を過ごした京都に戻り、現在は株式会社白川まちづくり会社で古川町商店街や周辺地域の活性化に取り組まれている前川さん。自身もシェアハウスで多国籍のシェアメイトとともに地域に密着した生活を楽しまれています。

前川さん:私たちの会社では、古川町エリアをより広く知ってもらい、関係人口を増やしていくための取組として、インバウンド向けの観光創生事業、お祭りなどの地域活性化事業、地域のカルチャースクールであるアカデミア事業、その他に知恩院さんなど地域との連携、協力といった4つの軸で活動しています。
またその先の定住人口の増加を目指して、地域の空き家や空き店舗の活用に取り組んでいます。京都が面白いなと思うのは、空き家や空き店舗の情報がオープンにされずに知り合いの中だけで共有されていて、立ち話などの中でそういった情報がぽっと出てくることです。そうして得た空き家などの情報と、古川町エリアに住みたい人をどんどん繋げていきたいなと思っています。
まちあるきやエリアの紹介もしていますし、とてもオープンな商店街なのでいつでも遊びに来てください。

アーケードには色とりどりのランタンが吊り下がっている

Instagram:https://www.instagram.com/furukawashuzo/

六原の輪<柔らかく、ゆるやかなコミュニティー>
志知 希美氏/アトリエ立夏

奈良から六原学区に移住し、絹糸を使った手芸「ゆびぬき」の作家として、アトリエを構えて販売や教室などをされている志知さん。本業の傍ら、「六原まちづくり委員会」や地域の自主防災などの活動、東山でお店を開いている人たちの集まりである「京都東山路地裏ディスカバリープロジェクト」など、地域においても広く活躍されています。

志知さん:私がしている手芸の仕事は、仲間が一緒にものづくりを楽しみながら、会話に入るのも黙々と集中するのも自由という、柔らかくゆるやかなコミュニティーをテーマにしています。
六原に引っ越してきた時に、ある方に声を掛けていただいたのがきっかけで地域の活動に関わるようになったのですが、もともと京都に対して抱いていたイメージと違い、風通しが良く、地域を良くしたい人たちの柔らかくゆるやかなコミュニティーがありました。そこに仕事との共通点を感じ、役に立ちたいと思ったので活動に参加しています。
ただ、私たち若い世代は、働き盛りでもあり時間的な制約などから地域活動への参加がまだまだ少ないと感じています。そこで、六原で働いて六原に住み、地域を愛して地域に定着してくれる仲間を増やすために、周りの小さなお店同士で協力して、「京都東山路地裏ディスカバリープロジェクト」を始めました。まだ始まったばかりですが、まずは今あるお店が地域に定着して、地域のみんなの交流の場をつくる。そこからこの地域で働きたい、住みたい店主を呼び込むというステップを踏んでいけたらいいなと思っています。仲間を探していますので、パンフレットに私のお店も載せてほしいという方や、そういうお知り合いがいらっしゃったら、是非よろしくお願いします。
地域から学んだことを仕事にいかして、仕事でも地域に貢献して、仕事の輪と六原の輪の両輪を回しながら、もっとこの地域の皆さんとの繋がりをつくっていきたいなと思っています。

志知さんの作品

Instagram:https://www.instagram.com/ricca_kyoto/

探究とコモンズ 「本町エスコーラ」について
山口 純氏/一般社団法人エスコーラ 共同代表理事

三十三間堂近くの長屋群を改修して、住居と広場やキッチンなどの共有部分からなるコミュニティ「本町エスコーラ」の運営をされている山口さん。「本町エスコーラ」は入居者によって自主的に運営されているコミュニティで、イベントもしばしば開催されています。

山口さん:「本町エスコーラ」は入居者みんなでDIYをして建物を修繕したり、野菜など食べられるものを育てられるように土壌を再生したりしてつくってきました。共有キッチンで一緒に御飯を食べることもありますし、時にはワークショップや「エスコーラ市」というマーケット、アーティストのパフォーマンスなどのイベントなども行っています。「エスコーラ」は学校という意味で、共有空間のある場所にみんなで生活する中で、時には運営について意見が対立したり、誰かに負担が偏ったり、お金の管理をどうするかといった面倒な問題が起こることもありますが、そうした色々な学びがある場所です。
私は「探究」と「コモンズ」についての研究をしているのですが、「探究」というのは、
人がアイデアを表現したときに、周りの人からフィードバックをもらうことによって、初めて自分の世界観や価値観を展開できるということだと考えています。そのためにはコミュニティが必要ですが、現代の資本主義社会では、お金にならず面倒臭さを伴うコミュニティは排除されるため、「探究」は難しくなっています。本町エスコーラのような「コモンズ」、共有財の再生は、資本主義社会の中で万人が「探究」や「学び」の機会を得るために必要なことだと感じています。
本町エスコーラは定期借家契約が2025年で終了し、更新できるか分からないんです。その先同じ形で続けていけるかは分かりませんが、今は空き室もありますので、入居したい方や、こういったコミュニティに関わることに関心がある人と繋がれたら嬉しいです。

広場で行われたフリーマーケットの様子

Facebook:https://www.facebook.com/honmachiescola

東山区の伝統工芸・産業と向き合う
吉田 瑞希氏/陶芸家・陶芸プランナー

町家などの屋根瓦によく佇んでいる魔よけの神様「鍾馗(しょうき)さん」を中心に作陶されている陶芸家の吉田さん。作家でありながら、制作だけでなくアート視点で企画も行う陶芸プランナーとして、東山区で活動するさまざまな伝統産業の職人さんを紹介するまちあるきやインタビュー、ワークショップの開催などの活動を学生時代から続けられています。

吉田さん:東山では手仕事の職人さんが多く活動されています。しかし、職人さんたちは、跡継ぎ問題や作品がなかなか売れないなどの課題を抱えています。職人さんたちの魅力を発信して知ってもらい、より多くの方々に伝統工芸品を手に取ってもらいたいという思いで、「手しごと職人のまち東山プロジェクト」を2008年から続けてきました。最近では、箸置きに絵付けをしてもらって、オーブンで焼きつけてお持ち帰りいただけるワークショップを行うなど、伝統工芸をより一層身近に感じてもらえるような取組を、京都芸術大学の学生さんと協力しながら行っています。また、馬町で「Ceramic Atelier ABUMI」というシェアアトリエをつくり、2024年春には本格オープンできるように準備を進めています。将来的には地域の方や観光客の方が出入りして展示や体験、ワークショップができるようなオープンアトリエに発展させていきたいなと思っています。
これから陶芸を通して、陶芸家としても、またシェアアトリエの運営者としても、皆さんと何か一緒にできたらと思っておりまして、イベントやワークショップなどのアイデアがありましたら、いつでもお声掛けください。出張も行っております。
「手しごと職人のまち東山プロジェクト」についても、東山にこんな職人さんがいるよという御紹介や、プロジェクトを一緒にやりたいという方がいらっしゃいましたら、是非お話しできたらと思っています。

吉田さんが作陶された鍾馗さん

手しごと職人のまち東山プロジェクト:https://shokunin-pj.studio.site/

清水寺で生まれた、未来の住むまち東山をつくるたくさんの小さな種

プレゼンター発表の後は、交流タイム。
区内の事業者や、移住や定住の促進に取り組まれている「京都市移住・定住応援団」登録団体、プレゼンターやオープニングトークに登壇された方々と共に活動をしている方など、区内外で様々な仕事や取組をされている方が多く参加されており、皆さんプレゼンターや他の参加者の活動に興味津々。気になる参加者のもとへ思い思いに動き、会場内のいたるところで名刺交換が行われ、「どんなお仕事をされているんですか?」「取組の内容に興味があるので、もう少し教えてください」「私も同じような取組をしているので、参考にさせてください」など様々な会話が飛び交い、広い会場内は熱気に満ち溢れていました。

まだまだ話し足りない様子の人も多い中、あっという間に交流タイムは終了。
最後に登壇者の皆さんから一言ずつ感想を伺って、初めて開催された「みらひがし」はお開きとなりました。

前川さん(白川まちづくり会社) 空き家の活用やリノベーションの課題に対して、皆さんの知恵を今後もお借りしていきたいので、また交流させていただけたら嬉しいです。

志知さん(アトリエ立夏) たくさんの出会いがありました。皆さんのお力を借りてプロジェクトを大きく進めていけたらと思います。

山口さん(エスコーラ) 交流の中でコミュニティマネージャーの方と話をして、コミュニティマネージャーって何をするんだろうとか、マネージャーとプレーヤーは分かれていたほうがいいのかといったことを考える機会になりました。

吉田さん(陶芸家) どこの地域でも伝統産業の課題は多いということと、若い人が手仕事に関わるきっかけをどうやって増やしていくかがこれからの課題だと改めて実感しました。皆さんのお力を借りてどんどん手仕事を盛り上げたいです。

大西さん(清水寺) 東山にたくさんの人が集まっていただき嬉しいです。東山がさらに魅力的なまちになるように、様々な立場、目的の方が少しずつ手を取り合って東山を盛り上げていければと思います。お寺としても、今後も一緒になって色々なことをさせていただければ嬉しいです。

小原さん(東山くらしよし) 東山のこれからに注目していただいている方や何か関わりたい方がこんなに集まっていただけることはすごく価値があると思います。同じ方向や近しい方向を見ている人たちがたくさんいることが励みになります。

この日、清水寺で生まれた小さな繋がりが、長い歴史を誇る東山の新たな歴史をつくるきっかけになるかもしれません。
「みらひがし」は今後も継続を目指しています。今回参加した方はもちろん、参加できなかった方も是非次回は参加し、住むまち東山の未来をあなたも一緒につくりませんか。

当日の様子(動画)はこちら
https://youtu.be/B66k3DSOCKE

住んでこそ!東山プロジェクト
https://www.sumunaramiyako.city.kyoto.lg.jp/sundekoso/

編集:北川 由依
執筆:南 知明
撮影:三輪 恵大

住んでこそ!東山

 

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