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京都市への移住相談
移住に関するお問合せ・移住相談は、京都市移住サポートセンター「住むなら京都」で、受け付けています。以下より気軽にお問い合わせください。
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休業:年末年始 (12/29 〜 1/3)
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京都は、観光で訪れるだけでは見えない顔をたくさん持っています。
朝の鴨川の静けさ、商店街で交わす日々の挨拶、季節ごとに変わる食卓の彩り——それらは、暮らしの中でこそ息づく京都の本当の魅力です。
一方で、「観光客が多くて住めないんじゃない?」「京都の人はよその人に冷たい。“いけず”だから移住も受け入れられないんじゃないの」といった話がまことしやかにささやかれているようです。もしかしたら、京都移住の検討にあたって、気にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか…。
このページでは、こうした先入観やウワサで見えづらくなってしまっている京都の暮らしのホントの魅力を、「い・け・ず」という言葉になぞらえて、3つの視点からご紹介します。
結び:観光では出会えない“暮らしとしての京都”に触れてみませんか?

観光都市の顔がクローズアップされがちな京都ですが、暮らしてみると印象はがらりと変わります。人の流れが集中するエリアや季節を少し外せば、生活は驚くほど落ち着いていて、朝は小鳥の声とともに始まり、夜は静かな灯りに包まれる。——そんな“京都の暮らしが広がっています。
観光の賑わいと生活空間がやわらかく分かれているからこそ、普段の日常は穏やかで、必要なときにはすぐに賑わいにもアクセスできる。
これが、京都が“意外に”暮らしやすいというおすすめの理由です。
京都の街は碁盤の目といわれる南北と東西に延びる格子状の道路網が特徴的で、日々の移動が直感的。自転車に乗れば、通勤・買い物・保育園の送り迎え・病院までが一筆書きでつながります。
例えば、中心部のオフィス勤務でも、朝は鴨川沿いをゆっくり走って出町柳から御池まで。信号待ちのあいだに比叡山の稜線を眺め、仕事前に一息つける——そんな“通勤のご褒美”があります。雨の日は地下鉄・市バス・私鉄を組み合わせればよく、乗り換えがシンプルなのも魅力です。

週末の人気スポットを外せば、ふだんの買い物は近所の商店街やスーパーマーケット、ベーカリー、八百屋で完結。観光客が多い通りから一本入るだけで、日常の空気に切り替わります。
夕方、子どもたちが近所の公園で遊び、近所のおじいちゃん・おばあちゃんが「気ぃつけて帰りや」と声をかける。京都は、観光の華やかさと暮らしの落ち着きが、ほんの数分の距離で共存する街なのです。
北には山、東にも西にも山。市内の中心部から少し足を伸ばすだけで、清々しい山と森の空気に包まれます。
朝の鴨川沿いを散歩して、春には桜、初夏には川面を渡る風、秋には澄んだ空気と金木犀の香り、冬にはユリカモメなど普段とは違った命の営みが見られたりと、季節の移ろいを全身で感じる。都市の便利さと、自然との“手の届く距離感”が心地よさを生みます。
大がかりなアウトドア計画を立てなくても、30分の寄り道でじゅうぶんリフレッシュできる——これも“暮らしやすさ”の大事な要素です。
外食は敷居が高そう?——実は、日常使いできる定食屋や街の食堂、うどん屋、コーヒースタンドなどが各所に点在。テイクアウトのおばんざい店も頼りになります。
高いと思われがちな京都の家賃も、エリアによって幅があり、単身のミニマルライフから、子育てファミリーの住み替え、静かな環境を求めるテレワーカーまで、目的と暮らし方に合わせた選択が可能です。
7:00 近所の神社まで散歩。帰りに豆腐屋で厚揚げを購入。
8:30 自宅で業務開始。10:00のミーティングまでにコーヒーを淹れ、窓外の緑で目を休める。
12:00 商店街で買ったお惣菜で昼食。午後は集中作業。
17:30 鴨川沿いをサイクリング。夕暮れの空に比叡山のシルエットを眺めて人心地つく。
19:00 近所の銭湯で温まり、帰りに果物屋で季節の果物を。
——目まぐるしさを感じない毎日が、“静かに満ちる”時間でつながります。

京都ではお祭りや清掃活動などの地域ごとのイベントや取組が盛んに行われていて、住民同士のつながりも密接です。温かな地域コミュニティがそこかしこで形作られていて、昔から京都にいる人も、新しく京都に来た人も、分け隔てなくつながっています。
一方で、京都には相手を気遣い、思いやる心が長い歴史の中で育まれていて、門掃き(かどはき)(※)に代表されるような地域の文化にまで昇華されています。一般的に「関西の人は押しが強い」と思われがちな中、京都ではプライベートに無遠慮に踏み込まない程よい距離感が保たれています。
移住に際し、「地域に馴染めるか」は、皆が抱える悩みですが、一方で自分の時間や空間も大事にしたいと思うもの。京都はこの相反する思いが絶妙なバランスで成立する稀有な街といえます。

(※)門掃き:自分の家の前を掃除する際に、両隣や向かいのお宅の前も気を効かせて少しだけ掃除をする京都独自の生活文化
小さく、静かで、必要なときにだけ賑わいにアクセスできる。京都の“意外な暮らしやすさ”は、派手さの裏側でそっと支えられている、毎日の心地よさの集積だったりするのです。

健康は“積み重ね”。京都の暮らしは、その積み重ねが自然に続く環境が整っています。歩く・漕ぐ・登る・温まる・よく食べる——無理な目標や高額な設備に頼らず、生活の動線そのものが心身の健康を支えてくれる街です。
碁盤の目の道路と、河川沿いのフラットなサイクリングルート。通勤や買い物に“徒歩・自転車”を選びやすい地形は、自然と、毎日の有酸素運動を促してくれます。信号待ちの間も、山並みや社寺林・庭園の緑が目に入るから、ただの移動が心落ち着ける“リセット時間”になります。
子どもの送り迎えも自転車なら渋滞知らず。荷台に買い物袋を下げ、風を切って帰る夕方の数分が、心地よい運動に変わります。

九条ねぎ、賀茂なす、万願寺とうがらし、聖護院だいこん——土地の野菜が近所のスーパーや八百屋に並びます。豆腐や湯葉などの大豆製品、白味噌やすぐき漬けなどの発酵食も身近で、塩梅のよい味付けが自然と覚えられる。忙しい日は、京都らしいお惣菜のテイクアウトを上手に取り入れて、栄養バランスのとれた食卓に。
外食も、油っこすぎない京の定食や出汁文化が、体にやさしく寄り添います。

京都には昔ながらの銭湯文化が息づいており、まだまだ多くの銭湯が現役で、仕事帰りにふらっと寄って湯に浸かる習慣が続いています。
温冷交代浴で疲れを流し、番台で「今日は寒おすなぁ」と言葉を交わす。体が温まると、心もほどける。家から徒歩圏に”疲労回復の場”があることは、健康維持に向けて大きな安心材料です。
ベビーカーでも移動しやすい歩道や公園が点在し、図書館や児童館、文化施設が身近にあります。登下校時には地域の見守り活動があって、子どもたちは、地域の中でのびのびと過ごしています。
シニア世代にとっても、段差の少ない移動と近場の買い物動線は、無理のない外出習慣を支えます。

月:自転車で通勤・通学。夕方は出汁多めの簡単おでん。
火:早めの帰宅の日はあえて家族で銭湯へ。
水:在宅勤務日。昼に鴨川沿いを30分散歩。
木:商店街で旬野菜を購入。夜は湯豆腐であたたまる。
金:仕事帰りにカウンターのおばんざい屋さんで晩ご飯。就寝前に白湯で整える。
土:午前に小さな山歩き。午後は図書館へ。
日:朝市で野菜を買い、家族で常備菜づくり。
——“健康づくり”を意識しすぎなくても、積み重ねが自然と続く設計です。
社寺の庭園や、川のせせらぎ、路地の静けさ。混雑を避けて“空白の時間”に出会えるのが京都です。早朝や黄昏時のほんの10分の寄り道でも、気持ちは驚くほど整います。静けさを選べる街は、心のセルフケアがしやすい街でもあります。
“健康的な毎日”は、特別なことをしない日々の積み重ねから。京都は、その積み重ねを温かく後押ししてくれる街です。

観光で何度も訪れる人が、気づけば京都暮らしを始めている——京都には、そんな“奥深い魅力”があります。派手さよりも“続けられる心地よさ”。それを支えるのは、地域のつながりの仕組みと、ほどよい距離感、そして季節のリズムです。
京都では、自治会や学区の活動、商店街のイベント、地蔵盆(※)や季節の行事が生活に寄り添うように存在しています。

(※)夏休みの終盤、町内ごとにお地蔵様の供養をする「地蔵盆」。主役は子供たちでお参りのあとは楽しい遊びがたくさん。
とはいえ、最初から深く関わる必要はありません。挨拶から、回覧板の受け渡しから、子どもの見守りから——小さな接点が糸口になります。
長く住むほどに自然と顔を覚え、困ったときに「頼れる誰か」が増えていく。頼り合いの密度が濃すぎないから、かえって関係は長持ちします。
音楽会や伝統芸能、アートの企画展が、日々の生活圏のすぐそばで開かれています。会社帰りに小さなホールで室内楽を聴き、週末は町家のギャラリーへ。大規模イベントに出向かなくても、生活の延長線上で文化に触れられるのが京都の強み。日常の器や暮らしの道具にこだわる店も多く、少しずつ暮らしを育てる楽しみが続きます。

町家を改修した賃貸、静かな郊外の新築、緑に近いエリアの戸建て、駅近のマンション——家族構成や働き方の変化に合わせて、住み替えの選択肢が見つかります。
テレワーク中心なら、中心部から一駅離して静けさを選ぶ。子育て期は公園や学区を優先。シニア期は買い物動線を短く——人生のステージごとに“ちょうどいい暮らし”へ調整できる余地があるのは、長く住むうえで大きな安心です。

大学や研究機関、スタートアップ、ものづくり、観光・文化関連など、分野の違うプレイヤーが近い距離で行き交う街です。確かな人のつながりが築かれている京都では、イベントや勉強会、コワーキングの交流から、思いがけない連携が生まれることも。
肩肘張らないネットワーキングが、暮らしの延長線上で起きる——それが“ずっと住みたくなる”理由のひとつです。
1か月目:まずは挨拶から。近所の清掃や小さな行事に一度顔を出す。
3か月目:行きつけの店を二つ作る(パン屋と喫茶など)。店主との会話が小さなセーフティネットに。
6か月目:地域の催しに手を貸してみる。受付や片づけなど、短時間の関わりから。
12か月目:季節行事の段取りが見えてきたら、自分の得意を少しだけ 地域に提供(写真撮影、広報、デザインなど)。
——“無理をしない継続”が、居心地の良さを育てます。
春は芽吹き、夏は夕立と川風、秋は澄んだ空、冬はきりりとした寒さ。暦の変化がはっきりしているから、衣食住の切り替えが自然に進みます。衣替え、味噌や漬物の仕込み、こたつの用意——そうした小さな季節仕事が、生活の手触りを豊かにし、時間に輪郭を与えます。
また、春は花街の芸舞妓さんの「をどり」、夏は祇園祭や五山送り火、秋は時代祭や紅葉、冬は節分会など、季節ごとの行事や風物詩があり、四季の訪れをより鮮明に彩ります。

観光で訪れる京都は華やかですが、暮らしてみると、そこには静かな心地よさが広がっています。朝の鴨川、季節の野菜、銭湯の湯気、そして人とのほどよい距離感——どれも日常に寄り添う小さな贅沢です。

観光で見る華やかさの裏側には、静かな日常、季節の彩り、そして押しつけない人間関係が息づいています。
「い・け・ず」に込めた3つの魅力——意外な暮らしやすさ、健康的な毎日、ずっと住みたくなる居心地。それらは、観光で訪れるだけでは体感できない京都の本当の価値です。旅の次は、暮らしの京都へ。
あなたも、この街で“ほんまの豊かさ”を見つけてみませんか?
京都市の東山区では、観光だけでは味わえない“暮らしとしての京都”を体験できる取組として、お試し居住プログラムを実施しています。
お試し居住プログラムは、人や文化との出会いを通して、「自分にとって大切な暮らし」を見つける時間でもあります。
「いつかは京都に住んでみたい」と思う方は、ぜひお試し居住プログラムに参加してみてください。きっと、あなたのこれからの暮らしをそっと後押ししてくれる出会いがあるはずです。
実際にお試し居住を体験した方のインタビュー記事を公開していますので、ぜひ参考にしてみてください。