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2024.10.10

帰省から始まる物語 vol.1 - 中村千波の京都での一泊二日

帰省から始まる物語 vol.1 - 中村千波の京都での一泊二日

 

 

18年間生きた町「原谷」へ、10年ぶりのただいま。

いつの間にか民家との背丈も近くなり、自分自身が変わっていったことを感じた。

桜の季節だけ有名になる私の地元に、スポットライトが当たることはあまりない。
けれども、心動かす持ち物を持っている原谷は大人になった私にとって誇りに感じる。

 

京都で一番の抱擁力を持つ圧倒的存在

京都といえば、
金閣寺や清水寺と連想する人が多い中で、私にとっては「鴨川」一択。

何か辛いことがあったら訪れたくなる。
何をしてくれるわけではないのに、全て包み込んでくれる。
京都を離れていても、ふ、と思い出させる圧倒的な存在だ。

 

 

そこには時代を超えた暮らしが生きていた

元遊郭建築を活かした「UNKNOWN KYOTO」の中には、築100年以上の歴史を共に過ごした家具もある。
一人で泊まっているのに、誰かがいてくれている安心感。

仕事をすることも、寝ることも、食べることも自由で、ビジネスホテルでもと同じことが出来るはずなのに。

 

 

お酒とお喋りする、大切な時間

実はお酒はそんなに得意ではない。
お酒=嫌な気持ちを一時的に晴らすもの、が私にとってのお酒。

けれども造り手が目の前にこいて、こだわりを話してくれて。
その人がお酒にどれだけ向き合ったのかが直に感じられる。

自分の気持ちを晴らすものではなく、
その人の想いを味わい対話する格別なものに変わる。

 

 

 

 

社会人になったからこそ分かる、五条の良さ

学生時代は「とりあえず四条」で買い物をして飲みに行って。

けれどもその営みが一周まわってみると、下流になり緩やかになった鴨川と、
人の数も店の数も程よい五条に足が向く。

 

 

五条、白川、原谷。
大好きな場所を全て抱きしめてくれる大文字山

幼少期には遠足で「登らなくてはいけない場所」だったが今では「登りたい場所」に。

ここでは、山々が京都を抱きしめている姿を目でも鼻でも、五感で感じられる。
別に何かすごい人にならなくても、寂しくならないと思わせてくれる圧倒的な安心感がここにはあった。

 

 

文  ー 中村 千波
編集 ー あかし ゆか
写真 ー Misa Shinshi

 

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