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2024.03.26

住みたいまちは自分たちでつくる。「京都市移住・定住応援団」交流会レポート

住みたいまちは自分たちでつくる。「京都市移住・定住応援団」交流会レポート

2023(令和5)年3月、京都市は移住・定住の促進を目的に「京都市移住・定住応援団」(以下、応援団)を発足しました。京都で働き、暮らし、子育てしたいと若い世代から思われるまち、そして住み続けたくなる都市を目指して、行政と民間企業・団体等が互いにアイデアやノウハウを持ち寄り、まちづくりに活かしていく公民連携のプロジェクトです。

公民連携で、住みたいまちをつくろう!「京都市移住・定住応援団」が目指す未来

現在、上記の目的に賛同した約70の企業・団体が加入しています。応援団発足から約1年で、すでに形になったプロジェクトも数多く、終了したイベントや現在進行中の事業を合わせて、これまで公民連携で取り組み実現したプロジェクトは10を超えます

移住定住までのプロセスである「集う、交わる、創る」のサイクルを回し続けている応援団事業。今回は、公民連携での事業化に向けた一歩踏み込んだ対話を図るための交流会の様子をレポート形式で一部ご紹介します。一体、どのようなプロジェクトの種が芽生えたのでしょうか。

行政と民間、それぞれの挑戦がスタート

交流会の当日、会場の京都市役所分庁舎の一室には登壇ゲストや京都市の各部署の方々を含め、応援団に所属している民間の方々総勢60名以上が集まりました。各テーブルで名刺交換や歓談が行われ、開会前にもかかわらず少しずつ場が盛り上がり始めます。

交流会の当日、会場の京都市役所分庁舎の一室には登壇ゲストや京都市の各部署の方々を含め、応援団に所属している民間の方々総勢60名以上が集まりました。各テーブルで名刺交換や歓談が行われ、開会前にもかかわらず少しずつ場が盛り上がり始めます。

定刻を迎え、壇上でマイクを握ったのは、京都移住計画を運営する株式会社ツナグムの田村篤史。同社は、京都市より委託を受けて交流会の企画・運営を行いますが、同社自身も応援団の一員として各種事業に取り組んでいます。

株式会社ツナグムの田村篤史

続いて京都市総合企画局の中筋大揮さんからは、今回の交流会の趣旨説明と、これまでに実施された応援団によるプロジェクトの一例が紹介されました。

中筋さん 応援団は移住・定住の促進を目的とした公民連携のプロジェクトです。それぞれがノウハウ、アイデアを持ち寄ってみんなでやっていこうよという取組で、今年度からスタートし、すでに具体的な取組が展開されています。

総合企画局の人口戦略係長、中筋大揮さん

中筋さん 京都市の社会課題解決をテーマに、大学生の市内での起業・定住の機運醸成を図る「学生向けの起業体験プログラム」や、夜の公園を楽しむ公園利活用プロジェクト「船岡山パークナイト」、東山区が持つ豊かな資源と様々な文化・伝統・人・食を掛け合わせた移住促進・地域活性化イベント「豊国神社SUMMER FESTIVAL」などが形になりました。

応援団である株式会社エージェントによって立ち上げられた、京都市の社会課題をテーマに、課題解決に向けた事業開発に取り組むとともに、大学生等の京都市内での起業をサポートする公民連携のプロジェクト

株式会社一級建築士事務所 STUDIO MONAKAを代表とする複数の事業者が主体となって実施する、船岡山公園の魅力アップと京都への移住・定住の機運づくりにつながる特別な企画を盛り込んだ「パークナイト」

株式会社ニシザワステイとノーガホテル清水京都、東山区役所が連携して取り組むお試し居住プログラム「UPCYCLE LIFE HIGASHIYAMA」。同取組の一環として立ち上がった、東山区が持つ豊かな資源と様々な文化・伝統・人・食を掛け合わせた移住促進・地域活性化のためのイベント

公と民が手を取り合い、メンバー同士でアイデアを出し合って形になってきた応援団事業。次のプロジェクトの萌芽はすでに育ち始めており、中筋さんは「いいアイデアやプロジェクトに対しては、京都市も事業資金を一部負担する等、サポートしていきたい」と話します。

挨拶を終え、プログラムはいよいよメインコンテンツに。現在、事業実現に向けて動き出しているプロジェクトについて、概要の紹介や課題の共有など、担当者それぞれから発表が行われました。

民間プロジェクト:InterMedia・OHARA FARMY「『畑 × 人材』 で京都を面白くするプロジェクト」

遊休地を畑として活用し、「地域」「企業」「学生」が抱える課題を解決すると同時に、京都市の新たな魅力創造を目指して取り組む「畑×人材プロジェクト」。プロジェクトメンバーであるInterMedia合同会社の野原裕美さんと、京都大原を拠点に、貸し農園や観光系の農業体験サービスなどを手掛けるOHARA FARMYの津坂晋一さんが登壇しました。

お二人は第1回の応援団事業の交流会で出会い、「掛け算をすればもっと面白いことができるんじゃないか」と意気投合。本プロジェクトの立ち上げに至りました。

InterMedia合同会社の野原裕美さん

OHARA FARMYの津坂晋一さん

野原さんは畑の持つ可能性について、次のように話しました。

野原さん 私たちは地域にあるさまざまな課題を解決するプラットフォームとして、『畑』の持つ可能性に注目しています。たとえば、企業にとっては従業員のプロジェクトマネジメントやメンバーマネジメントの研修の場になったり、プロジェクトに参画する他の企業や学生との交流の場になったり、地域にとっては身近に畑があることで、農業や食への興味・関心の醸成につながったりと、さまざまな効果が期待できます。

津坂さん 実際に、うちの農場には京都産業大学のゼミの学生たちが来て、収穫した農作物を用いたハンバーガーの商品開発に取り組んでいます。畑を企業と学生の交流の場として、また企業インターンの成長の場として活用いただくことで、京都市と学生の関係を深めて移住・定住の課題解決につながるのではないかと考えています。

現在は市役所前の遊休地を畑として活用するプロジェクトを構想しており、「畑×人材の取組を通して、どんな嬉しいことが生めるのかを、みなさんと一緒に考えたいです」と会場へ投げかけました。

行政プロジェクト:庁舎管理課「変わらない場所『京都市役所』での移住・定住PR ~市民の記憶に残り続ける市庁舎の有効活用~」

行政からもプロジェクトの発表を行います。まず、行財政局総務部庁舎管理課の谷内舞衣さんと植田協さんが登壇されました。

同課は市庁舎の管理や執務環境の改善、市庁舎の整備等に取り組んでおり、約100年前に建設された歴史的・文化的価値をもつ市庁舎の有効活用も目指しています。先述の「畑×人材」で京都を面白くするプロジェクトで紹介された遊休地も管理しており、民間から集まった多様なアイデアを実現する懐の深さを持つ課でもあります。

冒頭では市庁舎の歴史的・文化的価値について紹介され、その後活用例の一つとして「京都市役所本庁舎で『移住記念式』」の説明がされました。

京都市行財政局総務部庁舎管理課の谷内舞衣さん

谷内さん 私たちは本庁舎が世界の京都の「顔」として賑わう場所として機能し、再整備の効果も広く実感していただけるよう、有効活用を行いたいと考えています。行政だけでなく、市民ぐるみで市庁舎の活用を検討できればという思いから、市民向けワークショップで市庁舎の活用アイデアを募集したところ、出てきたアイデアが京都市役所本庁舎での『移住記念式』です。

同課の担当係長、植田協さん

建物の歴史的な価値だけでなく、100年後もあり続ける、「変わらない場所」という価値を存分に活かし、思い出として市民の記憶に残り続けるイベントとして当プロジェクトが採用。「プロジェクトの実施、コンテンツの造成に興味・関心のある方だけでなく、これ以外でも本庁舎の活用事業に興味・関心のある方とも交流させていただきたい」と呼びかけました。

行政プロジェクト:教育委員会「堀川御池ギャラリー元アクア(@KCUA)スペースの活用」

日本で唯一の音楽科単独の公立高校である「京都市立京都堀川音楽高等学校」。ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さんをはじめ、指揮者の佐渡裕さんなど、日本音楽界を牽引する音楽家を輩出していることで知られています。同校の敷地内にある「堀川御池ギャラリー」の活用について、今まさに取り組んでいる教育委員会教育環境整備室から発表がありました。

「2023(令和5)年10月末に現在のスペースが空き、2025(令和7)年3月末にはPFI事業期間が終了。それに際し、同スペースの有効活用、さらに令和7年度以降の堀川御池ギャラリー全体のより効果的・発展的な活用を考えています」と話すのは、担当者の菅野勘太郎さん。

※PFI事業:公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法

京都市教育委員会教育環境整備室の担当課長、菅野勘太郎さん

現在、市が保有する公共施設の利用を希望する民間事業者に向けて、一定期間、実際に「お試し使用」してもらう「トライアル・サウンディング事業」を進めています。

このお試し期間中は、施設使用料(家賃)を原則不要とするほか、事業者間の調整などを行うコーディネーターを任用したりするなど、民間の力を引き出す規制緩和やソフト面でのサポートなども充実。「堀川御池ギャラリーの可能性を一緒に引き出してくれる人がいれば」との投げかけに、会場からは熱い視線が向けられていました。

行政プロジェクト:産業企画室ひと・しごと環境整備担当「地域企業への定着促進」

京都市が持つ大きな魅力の一つ、それは地域内外から集まる多様な学生たち。市内にある大学・短大数は36校、在籍する学生の数はなんと約151,000人に上ります。そんな学生たちに卒業後も京都市へのつながりを持ってもらうべく、地域企業への就職をサポートしようと動いているのが産業企画室ひと・しごと環境整備担当です。地域が抱える課題とその対策を紹介してくれたのは、同室の林史明さん。

京都市産業企画室ひと・しごと環境整備担当の係長、林史明さん

林さん 京都市内には多数の学校があり、様々な地域から来られたたくさんの学生が学んでいます。卒業後、地元に戻ったり、東京・大阪等の大企業へ就職したりして、府内企業への就職率は17.8%になっています。また、就職しても約3割は3年以内に離職してしまうことも課題です。『京都市わかもの就職支援センター』を設置し、大学のキャリアセンターと連携して地域企業の採用支援を行ったり、約4,000社の企業情報を掲載した『京のまち企業訪問』サイトを運営したりすることで、少しでも多くの学生のみなさんに、京都企業の魅力を伝え、就職先として選んでいただくことを目指しています。

学生にまだ知らない京都企業を知っていただき、良さに気づいてもらう取組として、「地域企業インターンシップ促進プロジェクト」を実施しています。企業とのミスマッチを減らし、離職率を下げるためにも、さらに多くの地域企業にインターンシップに取り組んでいただくよう働き掛けています。

「京都企業を就職先として選んでいただく取組は、結果がすぐに出るものではない」としつつも、「長く京都とつながってもらえるように、色々な人や企業にアイデアをいただいて、より良い仕組みを考えていきたい」と締めくくりました。

民間プロジェクト:子育てママ支援サークル☆はじめのいっぽ お母さんが集まれる、会える場所へ「SKILL CONNECT」

「お母さんの『やってみたい!』を応援するサークルをつくり、初めの一歩を応援したい」と話すのは、子育てママ支援サークル☆はじめのいっぽの山﨑知子さん。ひとりぼっちのお母さんをつくりたくないとの思いから、地域の児童館を活用したお母さんたちの集いの場づくりや、お母さんたちで企画運営するイベント事業、新たに挑戦したいことや学びたいことをサポートする学び合いの場づくりなどを手がけてきました。

子育てママ支援サークル☆はじめのいっぽの山﨑知子さん

山﨑さん 京都には、旦那さんの転勤で移住し、知り合いや友人もいないまま暮らしているお母さんが多くいるんです。そんなお母さんたちは孤独になりやすく、地域でどうつながりをつくるかが大きな課題となっています。活動を通して、パートナーの都合で振り回されて大変な思いをしているお母さんにたくさん会ってきました。彼女たちがわくわくしながら暮らしている状態をつくっていきたいです。

また、パートナーの転勤で京都へ来たからこそ、パートナーの転勤で京都を出て行かざるをえないお母さんたちもまた多く、一度京都でできたつながりをどう維持するかといった課題についても現在取り組まれているとのこと。

「子育て中の母親にとって暮らしやすい環境とは何か。多様な働き方に詳しい方や、居場所となりうる場づくりに詳しい方とぜひ意見交換をしたいです」と、会場へ呼びかけ発表を締めました。

民間プロジェクト:らくさいっこ学生チーム「洛西NT市営住宅プロジェクト」

「魅力的な大人たちと出会いたい」。そう口火を切ったのは、洛西エリアでまちづくりに挑戦している大学生3人のプロジェクト「らくさいっこ」の大竹莉瑚さん。「自分たちで住みたいまちをつくっていこうと思って、活動に取り組んでいます」と話し、地域イベントの企画運営やコミュニティスペースの立ち上げ、シェアハウスの運営などを目指して活動に取り組んできました。

「らくさいっこ」のメンバーで立命館大学3年生の大竹莉瑚さん

コロナ禍で過ごした大学生活、今後の暮らし方や働き方、就職活動など、さまざまな違和感の中で過ごしてきた大竹さんは、「まちづくりを通して、自分自身がどのような場所でどう生きていきたいかを考えたい」と話します。原点にあるのは、辛そうに働く大人たちの姿。

大竹さん 毎日電車やバスでしんどそうに働く大人たちの姿を見ていて、自分はどうすれば楽しく生きていけるのだろうと思いました。実際に楽しく働き、生きている大人たちに出会うことで、そのヒントを得たいです。

最初は社会への違和感やモヤモヤでスタートした「らくさいっこ」の活動ですが、「地域にある諸問題は、地域の人たちが協力して取り組めば解決できるものばかりだと気づいた」と話し、今では無くてはならない大事な活動だと感じているそうです。

発表の最後では、「今日の交流会で『魅力的な人や地域ってなんだろう?』を、対話を通して一緒に考えられたら嬉しいです」と締めくくりました。

「わたし」は何を思うか。「わたし」は何ができるか

民間・行政それぞれのプロジェクトが紹介された後は、テーマごとにテーブルに分かれて議論する交流セッションへ。プロジェクト発表者がテーブルにつき、参加者とともにテーマについて問いを深める時間です。

テーブルごとに用意されたトークテーマ。それぞれプロジェクト発表者の課題意識を反映した問いになっている

まずはテーブルに着いた人同士で自己紹介を行い、テーマやアイデアについてプロジェクト発表者に質問。理解を深めようと積極的に発言する姿が見られました。また、背景にある思いについての共感の声も多く聞かれ、同じ課題意識を持つ者同士での連帯感も醸成されていました。

その後、参加者から、プロジェクトをブラッシュアップするためのさまざまなアイデアが提供されました。「畑×人材」プロジェクトのテーブルでは、学生インターンを導入してはどうかといった話や、野菜の収穫から販売までを農業と金融の教育プログラムとして提供してはどうかといったアイデアが。また、市役所前広場の活用については、朝活でヨガをしたり、モーニングキャンプやピクニックをしたり、日中に人が憩える場づくりをしたりするアイデアが出されていました。

印象的だったのは、「〜すべき」で終わらず、そのために私はこういうことができますよ、こういった点で力になれますよといった話が多かったこと。アイデア創出のワークショップでは、アイデアは出すものの誰がやるかとの話になった際、誰からも手が上がらないケースも多々あります。しかし、今回の交流会ではそれぞれが主体性を持ち、自分を主語にやりたいことやできることを話しており、参加された応援団の熱意の強さを改めて感じました。

白熱した交流セッションは席替えを行い、異なるメンバーで2回目を実施。1回目の「問い(テーマ)の探究」で課題やプロジェクトへの理解を深め、2回目の「アイデアでつながる」ではプロジェクトを大きく成長させるさまざまなアイデアが寄せられていました。

最後に、それぞれのテーマ担当者からテーブルでの議論の内容が共有されました。プロジェクト発表で「面白い大人と出会いたい」と話していた学生の大竹さんは、「面白い大人にたくさん出会えたのが大収穫。他の学生にどうつなげていくかを考えていきたい」と振り返り、今後の活動の宿題として捉えていました。他のテーブルでは、「4月から実際に動き出そうと思うので、 やりたい人は声をかけてください」といった具体的な呼びかけも生まれていました。

さまざまなアイデアが生まれ、連携を深めた交流セッション。本会の目的であった交流会のその先、アイデアを募り、一緒に形にしていく仲間とのつながりが生まれる機会となりました。

やる人、できる人、応援する人で動くまち

プロジェクトの背景を知り、共感し、何か自分にもできることがないかと関わりしろを探している人が多いところが応援団の特徴です。今後、登録事業者同士が手を取り合い、さまざまなプロジェクトが動いていくことで、京都はより面白いまちになっていくのではないでしょうか。

京都市は、豊かな自然や奥深い歴史・文化に彩られた、働き、暮らし、子育てするにも魅力あふれるまちであり、今後も、多くの方にとって住み続けたくなる都市を目指して一層進化していきます。あなたも、京都市で、住みたいまちを自分たちでつくっていきませんか。

▼京都市への移住を検討中の方、ご興味・関心がある方は、下記のHPをご覧ください。
京都市移住ポータルサイト「住むなら京都」

▼応援団に興味をお持ちの方は、下記より詳細をご覧ください。
住むなら京都:「京都市移住・定住応援団」募集ページ