起業を胸に“修行”を経て京都へ
大学入学を機に初めて住んだ京都は、それまで地元でやや窮屈さを感じていた僕にとってホッとする場所でした。「君、変わってるなあ」がほめ言葉で、個性を認めてくれる人がたくさんいたからです。そんな学生時代、海外放浪の末「環境負荷の少ない農業を広めるビジネスを」と心に決めましたが、まずは修行をと外資系金融会社に就職。東京で2年働いたあと、愛着のある京都へ戻り、今の会社「坂ノ途中」を設立しました。

懐の深いまちで新規就農を促す野菜販売
自社農場のほか、有機農法を実践する新規就農の方を中心に農家さんから野菜を仕入れ、販売しています。地縁がないなかでのスタートは大変でしたが、次第に「おいしいから」と地元百貨店や高級スーパーなどでも取り扱ってくれるようになり、売上げは順調に伸びてきました。京都は、歴史の中で培われた伝統の中に、多様な価値観が存在している。そこが気に入っているし、懐の深さを感じますね。今、社員の多くは他都市からの移住者。彼らがうちの生命線でもあります。

(2016年3月インタビュー)